ゲムー批評録(1) Quantum Break

【一人称だったらより良いエクスペリエンスが得られたであろうが、力作と言える】

Quantum Breakは、Alan Wakeなどを手掛けたRemedy Entertainmentによる、ナラティブに重点を置いたTPSゲームです。

主人公のJack Joyceは友人Paul Sereneの招きで大学の研究施設に足を踏み入れ、そこで時間を遡行する装置の異常によって時間を制御する能力を得てしまいます。直後PMSCであるMonarch Solutionsの武装した隊員たちに包囲・攻撃されますが、装置の異常によって時の流れがひずみ、時折時間が止まる中をJackは自由に進めることを利用して脱出を図ります。興を削いでしまうためその後の展開は省かざるを得ませんが、破壊された時間の流れを元に戻すべく、いったい何が起こったのかを突き止めようとしていきます。apps-31927-13510798886714035-b14aded6-4943-4002-8f52-745770f6bafc

ストーリーは予測が難しく常にプレイヤーを引き付けるものですし、プレーヤーの選択によって展開が変わることもあって中だるみを感じさせません。ステージ中に多数配置されたメモやメールなどを読んでいくことで、本筋とは離れていながらも背景設定に裏打ちされた様々な人間模様にも触れることができます。

またゲームプレイについては、移動中においても戦闘中においても、狙った場所の時間の流れを遅くしたり、自らを加速させたり、シールドを展開するといった特殊能力を利用する必要があることで「敵を倒して先に進み続ける」という作業感を軽減しています。

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しかしながら、TPSであることでこの種の非現実的なストーリーテリングに対する没入感が削がれてしまっているという点も否めません。「奇妙な世界の中にいる」という感覚ではなく、「そういう設定の中にいる主人公を操作している」ように感じられてしまうのです。時間遡行装置のコアが起動し空間が歪む描写、進んでは巻き戻るひずんだ時間流の描写、そういったものはプレイヤーキャラクターの目線で見ることによってこそ臨場感を与えるものであるように思われます。時間を巻き戻すギミックの都合上一人称では具合が悪いようなところでのみ三人称に切り替わるようにされていれば理想的でした。敵と戦う際に隠れながら敵の動きを見る必要があるというのであれば、Deus Ex: Human Revolutionなどで実現されているようにカバー中のみ三人称にするべきだったと言えるでしょう。

とはいえシナリオを効果的に見せる必要のある部分は実写ムービーを使い、主人公たちが過去の事実を調べて進んでいく部分ではゲームを使うという構成は実に見事で、物語が終わりに近づくにつれ誰もが余裕をなくしていく状況を緊張して見守ることになります。

記事執筆時7,900円とかなり高額ではありますが、映画チケットとゲームの2つを買ったのだと思えば…いややっぱり高いですね。もうちょっと安いほうがいいな。時間をテーマにした作品が好きで、手持ちに余裕があれば遊んでみてはいかがでしょうか。(追記: 8月10日より価格が改定され4,000円と妥当な水準に降りてきました。また、Steamでも9月30日販売開始となっています)

Quantum Break (Windowsストア)

Quantum Break on Steam

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[ '_ㄣ' ] インターネットSteamゲムーあそびマンだよ

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